CGモードのサムネイルのナニに
モザイクをかけ忘れて回収騒動になったり、
BGMの盗作が発覚したり、その影響により、次回作で
グリーンリバーライトの歌う素敵なイメージソングがお蔵入りになったりと、何かとBLゲーム界を騒がせた郎猫儿(ランマール)のデビュー作「冤罪」が
北米で発売されるそうです。
アメリカでやおいは
スラッシュと呼ばれ、一部の女性に熱烈な支持を受けていますが、18禁BLゲームというジャンルにどのような反応が寄せられるのか気になるところです。
さて、アメリカでも高い評価を受けている日本のやおい産業ですが、今回は96年に発売され、現在も日本・海外問わず熱い支持を得ている名作やおいアニメ作品をご紹介したいと思います。
その名も
「銀河帝国の滅亡・外伝 蒼き狼たちの伝説」。
監督に浦田保則、メカニック・デザインに小林誠、主題歌に石原慎一という布陣で製作された
18禁やおいロボットアニメです。

アダルトアニメというと、貧相な作画、あってないようなストーリーと、やっつけ感漂う出来が散見される市場ではありますが、そんな中
このクオリティを18禁やおいアニメに注ぎ込んだフェニックス・エンタテインメントの野心にはただ頭が下がるばかりです。
壮大なスケールを匂わせるオープニングから転じて突如始まるセクロスシーン。
美少年と、これが
北斗の拳なら間違いなく瞬殺ものの豚巨漢の男がまぐわっております。
「早くイかせてください…!」
「上官に対して口をきくときはサーをつけろと言ったろうが」あなたはどこのハートマン軍曹かと。
「た、隊長ぉお…っ」「そうか、一緒にイくか」「サー、イエッサー!」 耽美なのか体育会系なのか分かりません。舞台は西暦2199年。人類が地球外知的生体「アポカリプス」と過酷な戦闘を続けている中、仕官候補生の主人公・ジョナサン(CV・K安T人)が冥王星へ送られるところから物語は始まります。
ルームメイトのレナード(CV・M川T之)とは、出会いこそ最悪ではありながら
ファイト一発したり

シミュレーションで急接近したり

厳しい訓練の中で
フラグを立て友情を深め合うジョナサン。
さて、序盤で登場した
豚野郎コンチネンタル様。
ジョナサンをロックオンした彼は権力を嵩に無理やり忠誠を誓わせようとします。
「お前は軍人の基本がなっていない。上官への言葉はイエスかノーしか許されておらん!」
「イ、イエッサー!」
「もう一つ!言葉の前にサーを付ける!」
「サー!イエッサー!」
「よぉし、飲み込みが早いぞ…… 服を脱ぎたまえ」
この作品は総じて筋肉の描写のこだわりが素晴らしいと思います。
「忠誠を誓うか?」「サー…ノーサー!」
「軍人として言っているのではありません!人間としてです!」
「命令は戦場でしてください!」頑なに忠誠を拒否するジョナサンですが
――人間の尊厳を奪うのはアポカリプスだけじゃない。
いや、人間だからこそ欲望の為に人の尊厳を踏みにじる…なんと醜い…――コンチネンタル様の横暴な振る舞いにすっかりブルー。
見た目通り粘着なコンチネンタル様は、ジョナサンを諦めてはいませんでした。
訓練と称して衆人の前でジョナサンを滅多打ち。

なおも忠誠を強要するコンチネンタル様。
「どうした降参か?忠誠を誓うなら終わりにしてやっても構わんぞ」
「死んでも言うものか…サー、ノーサー!」と、ここで
救世主が登場!!「同室者の責任として、自分が相手をします」
豚、瞬殺!
そしてジョナサンの怪我を手当てするレナード。
強さと優しさを兼ね添えた理想の攻めです。
しかし
手当ての手付きが怪しかったせいか、ジョナサンにゲイである事がバレてしまったレナード。「ノンケは抱かない」と主張するレナードを前に、突如
若かりし日の記憶がフラッシュバックするジョナサン。

幼い頃、男性の鍛え上げられた身体を見て湧き上がった衝動――
「そうだ…あの時…自分の男根がエレクトしていた」(K安声でお読み下さい)
「自分がたくましく鍛え上げられた肉体になっているのを想像し…」ナルシストかよ!なんにせよ、実は既に目覚めていたジョナサン。
そして、目の前のレナードの肉体こそが自分の理想ということに気づきます。
――あの夢の肉体こそ…
あの時の行為は、ナルシズムゆえの行為ではなかったのだ…――ここぞとばかりに己のナルシスト精神を否定しつつ、これをきっかけに、
明らかに身体目当てですがレナードを意識し始めるジョナサン。
さて、いつまでたってもジョナサンを手に入れられないどころか、部下の前で大恥をかかされたコンチネンタル様はとうとう強硬手段に。ジョナサンにスパイ疑惑をかけ無理やり連行、レナードにも連帯責任で営巣入りを命じます。

とうとう豚の魔手にかかり、
荘厳なオーケストラをBGMに処女を散らすジョナサン。
ハイレベルな性描写シーンでありながら、あまりありがたみを感じないのは相手が相手だからでしょうか。

一方、ジョナサンのピンチを察知するレナードですが…
!
!!
「貴様ぁ…」
「上官に刃を向ける気か…」
「お前のような外道は許しておけない…!ウオォォォオ!!!!!!」

事件は秘密裏に処理されつつも、今回の事件をきっかけに最前線へと送られることとなったレナード。
「色んな思い出の染み付いちまったものだが、受け取ってくれるか」と、よりにもよって
コンチネンタル様のイチモツを切り落としたナイフを贈るレナード。
何の嫌がらせでしょうか。
そして――
「今生の思い出に、一夜をくれないか?」ここでようやく美形同士の濡れ場が発生します。長い道のりでした。
「約束してくれ…もし戦場で変わり果てた俺に出会ったら…お前のこの手で…」この後に訪れる衝撃の結末は、是非ご自分の目でご確認下さい。クライマックスの気合いの入った戦闘シーンは、これが
やおいアニメであることを完全に忘れさせる熱い出来です。
まぁ、
本当のクライマックスはコンチネンタル様のナニ切りシーンなんですけどね。
ところでこの作品、「VOL.1 7番目の男」とサブタイトルがついているように
続編の製作が予定されていました。実際、EDのスタッフロールが終わった後、突如謎の新キャラクターが登場し意味深な会話を繰り広げるのですが

諸々の事情により製作は中止となり、結局続編は発売されずじまいに。
その為、現在もファンの間で
「たのみこむ」等にて続編製作の嘆願活動が行われています。
長らく幻の作品とされていた「蒼き狼たちの伝説」自体は、昨年アニメレーベル
「スラッシュ」からDVDとして再販された為、非常に手に入れやすくなっていますので、興味がある方は是非購入してみてください。ついでに「たのみこむ」で続編製作に賛同してくれると嬉しいです。
仮に続編が決定したとしても、
もう受けはやらないと宣言しているK安氏が参加してくれるかは定かではありませんが。
※スタッフクレジットでは声優名が公開されていないため、記事内の声優名は敢えて伏せさせていただきました。